産業廃棄物に係る分析
廃棄物処理法により事業者には、その事業活動に伴って生じた産業廃棄物を「自らの責任において適正に処理」する義務があり、産業廃棄物が適正に中間処理または最終処分されるまで責任があります。
産業廃棄物を自ら処理するか処理業者に委託するかにかかわらず、適正に処理するためには、廃棄物の性状や有害物質の有無を把握する必要があります。
分析項目
①昭和48年02月17日
環境庁告示13号【 産業廃棄物に含まれる金属等の検定方法 】による分析
・産業廃棄物の判定試験方法は、廃棄物の処分方法、廃棄物の種類によって異なります。
・ 一例として、燃え殻を陸上埋立処分する場合の検液作成方法(揮発性有機化合物は除く) を下記に示します。
・ 検液の作成後は、公定法(日本工業規格K0102等)に従い各項目の分析を行います。
・ 判定基準は、産業廃棄物の処理方法、廃棄物の種類によって異なります。
例)金属等を含む産業廃棄物などの判定試験
溶出試験:埋立処分(燃え殻、ばいじん、汚泥、鉱さい※1 )
項目 | 判定基準 |
---|---|
アルキル水銀化合物 | アルキル水銀化合物につき検出されないこと |
水銀又はその化合物 | 検液1Lにつき水銀0.005mg以下 |
カドミウム又はその化合物 | 検液1Lにつきカドミウム0.09mg以下 |
鉛又はその化合物 | 検液1Lにつき鉛0.3mg以下 |
有機燐化合物 | 検液1Lにつき1mg以下 |
六価クロム化合物 | 検液1Lにつき六価クロム1.5mg以下 |
砒素又はその化合物 | 検液1Lにつき砒素0.3mg以下 |
シアン化合物 | 検液1Lにつきシアン1mg以下 |
PCB | 検液1Lにつき0.003mg以下 |
トリクロロエチレン | 検液1Lにつき0.3mg以下 |
テトラクロロエチレン | 検液1Lにつき0.1mg以下 |
ジクロロメタン | 検液1Lにつき0.2mg以下 |
四塩化炭素 | 検液1Lにつき0.02mg以下 |
1,2-ジクロロエタン | 検液1Lにつき0.04mg以下 |
1,1-ジクロロエチレン | 検液1Lにつき0.2mg以下 |
1,2-ジクロロエチレン | 検液1Lにつき0.4mg以下 |
1,1,1-トリクロロエタン | 検液1Lにつき3mg以下 |
1,1,2-トリクロロエタン | 検液1Lにつき0.06mg以下 |
1,3-ジクロロプロペン | 検液1Lにつき0.02mg以下 |
チウラム | 検液1Lにつき0.06mg以下 |
シマジン | 検液1Lにつき0.03mg以下 |
チオベンカルブ | 検液1Lにつき0.2mg以下 |
ベンゼン | 検液1Lにつき0.1mg以下 |
セレン又はその化合物 | 検液1Lにつきセレン0.3mg以下 |
備考※1:燃え殻、ばいじん、鉱さいについては、水銀、アルキル水銀、カドミウム、鉛、六価クロム、砒素、セレンのみを対象
②燃え殻、ばいじん、汚泥等の産業廃棄物に含まれる金属含有試験
金属含有量試験、判定試験に用いられるものではありませんが(汚泥等を除く)、 重金属類の溶出原因調査などに役立ちます。
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- 昭和63年9月8日 環水管第127号法【底質調査方法】
- 平成13年3月 環境省水環境部水環境管理課【底質調査方法】
- JIS M8815 石炭及びコークス灰の分析方法
- 下水試験法
等に準拠した方法で金属類含有量分析を実施いたします。