土壌汚染対策法の調査・分析
工場排水など化学物質の排水が地面(土壌)に浸透し、土壌や地下水が汚染された状態のことを土壌汚染と言います。
土壌汚染には、
・地表面下の問題である為、目に見えない。
・有害物質が地下水にまで拡散すると、近隣の土地まで被害が及ぶ
・土壌自体が私有財産を構成するので規制が難しい
・汚染された水や食物を摂取すると人体に健康被害を及ぼす可能性がある
といった問題点があります。また、汚染された土地は資産価値が下落するというのも 大きな問題点です。
私たちは地下水及び人体への影響を調べるために、採取した土を土壌汚染対策法に基づき測定分析します。
土壌汚染対策法
2003年2月、土壌汚染の状況の把握、土壌汚染による人の健康被害の防止を目的とし「土壌汚染対策法」が施行されました。
この法律は、特定の契機で土壌汚染状況調査を行わなければならないということを定めています。
また、汚染が発覚している場合、都道府県知事は汚染の除去等を命令できます。定められた有害物質は現在26種類あります。
項目 | 溶出基準(注1)/地下水基準(注2) (※単位 mg/L) |
第二溶出基準(注3) | 含有基準(注4) (※単位 mg/Kg) |
|
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第1種 特定有害物質 (揮発性物質) |
四塩化炭素 | 0.002 | 0.02 | – |
1,2-ジクロロエタン | 0.004 | 0.04 | – | |
1,1-ジクロロエチレン | 0.1 | 0.2 | – | |
1,2-ジクロロエチレン | 0.04 | 0.4 | – | |
1,3-ジクロロプロペン | 0.002 | 0.02 | – | |
ジクロロメタン | 0.02 | 0.2 | – | |
テトラクロロエチレン | 0.01 | 0.1 | – | |
1,1,1-トリクロロエタン | 1 | 3 | – | |
1,1,2-トリクロロエタン | 0.006 | 0.06 | – | |
トリクロロエチレン | 0.01 | 0.1 | – | |
ベンゼン | 0.01 | 0.1 | – | |
第2種 特定有害物質 (重金属等) |
カドミウム及び化合物 | 0.003 | 0.09 | 45 |
六価クロム化合物 | 0.05 | 1.5 | 250 | |
シアン化合物 | 検出されないこと | 1(※単位 mg/Kg) | 50(注5) | |
水銀及びその化合物 | 0.0005 | 0.005 | 15 | |
アルキル水銀 | 検出されないこと | 検出されないこと | – | |
セレン及びその化合物 | 0.01 | 0.3 | 150 | |
鉛及びその化合物 | 0.01 | 0.3 | 150 | |
砒素及びその化合物 | 0.01 | 0.3 | 150 | |
ふっ素及びその化合物 | 0.8 | 24 | 4000 | |
ほう素及びその化合物 | 1 | 30 | 4000 | |
第3種 特定有害物質 (農薬等) |
シマジン | 0.003 | 0.03 | – |
チオベンカルブ | 0.02 | 0.2 | – | |
チウラム | 0.006 | 0.06 | – | |
PCB | 検出されないこと | 0.003(※単位 mg/Kg) | – | |
有機りん化合物 | 検出されないこと | 1(※単位 mg/Kg) | – |
注1:土壌溶出液試験に適用>
地下水経由の観点からの指定基準(都道府県知事が「指定区域」として指定する際の基準)
注2:地下水試験に適用
注3:土壌溶出試験に適用
この基準を超えてた場合、土壌汚染対策法に基づいた指定区域に講じられる対策に制限がつく
注4:含有量試験に適用
直接摂取の観点からの指定基準
注5:遊離シアンとしての値